ミンガラバー。
ヤンゴン市内の交通手段といえば、自家用車、タクシー、バス、電車、サイカー(自転車の横に座席を付けた人力車)等が挙げられます。 今回はその中でも2017年に新しくスタートしたばかりの公共バスサービスYBS(Yangon Bus Service)について取り上げたいと思います。
バスの料金は、ダウンタウン内の循環バスだと100チャット(約8円)、それ以外は200チャット(約16円)という破格の安さ。 これは、タクシー料金の10~20分の1の値段で、庶民の足として広く利用されています。
エアコンが効きバスの本数も少なくないYBSは、一度乗り方を覚えてしまえばとても便利なサービスです。 それでも、日本のバスに乗りなれた私にとって、YBSの利用はひと苦労だったりするのですが。
一点目に苦労する点は、所要時間がよめないこと(無論、時刻表も存在しません)。
交通渋滞がひどいヤンゴンでは、通常10分足らずで到着する場所に30分も40分もかかってしまうことがままあります。 また、通勤ラッシュ時にはバスが満員で乗れないこともあり、バス停で何本もバスを見送ることも。 ミャンマー人は遅刻が多いという話をよく耳にしますが、現状の交通インフラでは、ある程度は仕方がないことなのかもしれません。
二点目に、運転マナーの荒さ。
急発車、急停車は当たり前で、つり革や手すりにつかまって足を踏ん張らなければ、立っていられません。
そのためか、荷物が多い人が立っていれば、座っている人が彼/彼女の荷物を引き受け、立っている乗客が手すりにしっかりつかまれるよう手助けする姿も見られます。
最後に、乗車賃の支払の煩雑さ。
乗車賃の支払時は日本同様おつりが出ません。かといって両替サービスもないため、小銭を持っていない場合は、他の乗車客からお金を集め、自分で釣銭を確保しなければなりません。 現在は運賃支払いのプリペイドカード化が進めらているようで、サービス向上が期待されます。
ミャンマーはアジア最後のフロンティアと言われ、世界各国の投資家の関心を集める一方、そのビジネス環境は世界最悪とも言われています。 その要因のひとつは、激しい交通渋滞が通勤や物流に大きな支障をきたしていることでしょう。
増加するミャンマーへの投資が実を結ぶには、交通をはじめとするインフラ整備は不可欠です。 スタートを切って間もないYBSは、今後ヤンゴンの渋滞問題にどのような役割を果たすのでしょうか。今日もバスに揺られながら、1日でも早いYBSのサービス向上を切に願っています。