ヤンゴン市民の私が見たヤンゴン市議選(第1回:選挙3週間前)【連載コラム】

皆さんはご存知でしょうか?今月3月31日(日)に全国初の直接選挙でのヤンゴン市議選があることを。これはミャンマーの民主主義の歴史に残る出来事になるのではないかと思います。この選挙についてヤンゴン市民でもある私からみた選挙の様子をお伝えしたいと思います。
さて、まずは私の自己紹介させて頂きます。1992年生まれの27歳。ヤンゴン外国語大学を卒業してVACヤンゴン会計事務所で7年間会計士として仕事をしています。2年前には東京に出張して日商簿記3級を受験し取得しました。
さて話を戻しますと私は2019年3月10日現在まで2回の投票経験があります。1回目は軍事政権からThein Sein大統領の時代へ変わる2010年総選挙時でした。しかし、当時はきちんと投票できたわけではありません。家族の中の一人だけが選挙に行って全員分に投票するという、なんとなくあいまいなまま投票が済んだのでした。2回目は2015年総選挙時で世界的にも注目されるAung San Suu Kyi氏のNLDが勝った選挙でした。国民全員がしっかり投票をしました。私たちの投票でSuu Kyi氏がリーダーになれたことは感動しましたし、民主化の意味を少しずつ実感してきました。ただし、今回はミャンマー初の直接投票ということもあり、最近はあちこちでヤンゴン市議選のニュースが流されチラシや看板などが目に付くようになりました。ヤンゴン市議選について無意識な間に選挙が近づいて来ました。ヤンゴン市民の関心を見るとそれほど高くないと感じます。その中で最近市議選にMiss Myanmarの女性が出るニュースとフランスのトップ大学で環境開発を専門に卒業した25歳の男性が出るというニュースが大きな話題になっています。

ヤンゴン市議選についてそれほど関心が無かった私ですが、どういうものなのかざっと調べました。
 

  1. 概要

    国家憲法の規定によって各管区(Division)・州(State)の議会は、各自の開発法を作成・履行することです。2018年6月28日、「2018年ヤンゴン管区議会法第5号」によってヤンゴン市開発委員会法が履行されました。ミャンマー最大都市ヤンゴンで3月31日に実施される予定のヤンゴン市議会選挙は、国内初の住民の直接投票による地方選挙となるようです。
     

  2. ヤンゴン市開発委員会法の軌跡

    2013年10月08日 ヤンゴン市開発委員会法 発表
    2014年08月01日 規則(Regulation)発表
    2014年09月04日 法律改正
    2016年05月16日 規則(Regulation)改正
    2018年06月28日 ヤンゴン市開発委員会法履行
    2018年11月12日 ヤンゴン市開発委員会議選規則履行
     

  3. ヤンゴン市開発委員会法の目的

    1. 開発委員会の指導で、ヤンゴン市が開発し、市民の生活基準が上達する為
    2. 開発に対する税収を100%入手する為、一方 市内の開発に規則通り効果的に利用する為
    3. 国際的な都市のように清潔・快適・綺麗で住みやすくなるよう、市民とともに努力する為
    4. 市内開発業務に関して責任感があり明確な管理システムが出来上がる為
    5. 必要とされる組織・部署を構成し しっかり業務を行う為

     

  4. 対象地域

    ヤンゴン市内にタウンシップは45地区あります。その中で、開発対象となるタウンシップは33地区になります。以下は等33地区のタウンシップの名前です。6つの地域に分けられ議選が行われます。

    地域-①
    3地区
    地域-②
    4地区
    地域-③
    12地区
    地域-④
    8地区
    地域-⑤
    2地区
    地域-⑥
    4地区
    South Okkalapa,
    North Okkalapa,
    Thingangyun
    South Dagon,
    North Dagon,
    East Dagon,
    Dagon (Port)
    Kyi Myin Daing,
    Sanchaung,
    Sait Kan,
    Dagon,
    Pabedan,
    Bahan,
    Latha Lanmadaw,
    Alone,
    Tamwe Kamaryut,
    Yankin
    Kyauktada,
    Daw Pon Pazundaung,
    Mingalar Taung,
    Nyunt,
    Thakayta,
    Dala,
    Sate Kyi Kanaung To,
    Botahtaung
    Hlaing Thaya,
    Insein
    Mayangon Hlaing,
    Mingalar Don,
    Shwe Pyi Thar

     

  5. 資格

    1. 25歳以上
    2. 親がミャンマー国籍であること
    3. 選挙地域で3年以上居住している者
    4. 開発委員会規則上の規定を満たす者

     

  6. 投票権の資格

    1. 開発範囲の地域で1年以上居住すている者
    2. 18歳以上、ミャンマー国籍を有する者
    3. 各地域の投票権を有する者

     

  7. 投票権のない者

    1. 宗教の下の者(お坊さん・尼さん等)
    2. 刑事になっている者
    3. 精神疾患の者
    4. 破産者
    5. 外国人・外国国籍の者
    6. 軍隊・警察関連地域に住んでいる軍・警察官・及び家族

     

  8. 開発委員会 委員の任命方

    市議会選挙では、市内33タウンシップから各3人99議席と、ヤンゴン市開発委員会の執行委員6人の計105議席を選出します。住民、ヤンゴン市開発委員会の執行委員1人と自分が居住するタウンシップの委員3人の計4人を選び投票することになります。
     
    ヤンゴン市議選 開発委員会 委員の任命
     

  9. 開発委員会執行委員11名の任命方

    開発委員会執行委員の任命
     

  10. キャンペーン姿

    2月28日から3月29日はキャンペーン期間です。委員のキャンペーン姿が徐々に増えています。フェスブック、雑誌などでヤンゴン市議選の情報が見れます。105議席の為競争する委員がいっぱいます。私としては委員について全く知識が無いので、これから調べて、自分なりに分析し判断して投票します。月末まで毎週コラムを投稿しますので、ぜひ次回もご覧ください。

    Miss. Myanmar Htet Htet Htun氏のキャンペーン姿

    委員の中で一番若い25歳の若くて優秀なAung Khant氏のキャンペーン姿

筆者:VACヤンゴン会計事務所 Chu Khet Khine

連載コラム目次

第1回(3月10日):選挙3週間前(本稿)
第2回(3月17日):選挙2週間前
第3回(3月24日):選挙1週間前
第4回(3月31日):選挙当日