【インターンコラム】ミャンマー人の国民性 ~1 人のリーダーへの強い思慕~

ミンガラバー。
日本では寒さが増し、そろそろ本格的な冬に突入する時季ですね。
ミャンマーは相変わらずの暑さで、冬の朝の目が覚めるような寒さや、羽毛布団のゆくゆくとした温かさ、家族や友人と囲む鍋などが恋しく思い出されます。

さて、束の間望郷の念に駆られたところで、ミャンマー人の「家族関係」に話を移したいと思います。ミャンマーの人は家族をとても大切にします。

「親を敬う」という意識が強く、特に母親と子どもの絆はかなり強固なものらしいという印象です(勿論家庭それぞれだとは思いますが…)。進学、就職、結婚など子どもの様々なライフイベントに対する親の意見は、日本にもまして影響力が強いようです。

最近、ミャンマー人の友人が突然仕事を辞めたと連絡をよこしました。理由を聞くと、「母親が会社の待遇に納得できず、辞めろと言ったから」とのこと。
この他にも、「進学先の大学は親が決めた」、「友人と旅行に行こうとしたら、親に心配だからと止められた」など、たとえ成人した大人であっても彼らの意思決定の裏には親の存在が色濃く感じられます。

これは何も親に限ったことではなく、両親がいなければおじ・おば、信頼の置ける教師など、とにかく目上の人の意見を重んじる傾向が、ミャンマー人の間には強いように感じられます。

国家諮問のアウンサンスーチー氏が圧倒的なリーダーシップを持った存在として多くの国民に慕われるのも、こうしたミャンマー人の気質が多少なりとも関係しているのかもしれません。

最近はアウンサンスーチー氏の次なるリーダーを問う声を耳にしますが、次世代の育成は会社でも公的機関でも同じように重要な問題。誰かひとり強いリーダーシップをふるう存在と、それに追従する残りの人々という構図が、ミャンマーの組織では多いような気がします。

今まで目上の人の意見を重んじてきた人に、いきなり自分の頭で考えて行動しろ、後輩を育てろと言っても難しいこと。ミャンマーに滞在して日は浅いですが、それでも人材育成の難しさを耳にすることが多々あります。

上の人の意見に従うことは確かに楽で安心ですが、一人ひとりが自分の頭で考えて意見を持つこと、誰かのリーダーになる経験を持つことができれば、ミャンマー組織の性質は今と少し違ってくるかもしれません。
勿論これはミャンマー人に限ったことではなく、今まで温室環境でぬくぬくと育ってきてしまった私自身にとって、かなり耳の痛い話です…。