【特別コラム】ミャンマーにお墓がない

皆様、お盆休みはいかが過ごしていましたか。ヤンゴンは最近雨の日が続いて涼しいです。今回は日本とミャンマーのお墓に関する文化の違いに関して書かせて頂きたいと思います。

ミャンマーでは一般的には火葬がよく行われます。日本人には「え、お墓ない?」と思われますが、本当にお墓が無い文化です。中にはお墓を作る人もたまにいますが、日本のようにお墓参りのような習慣が無くて、好みで記念として作るという感じです。後、休みが多いミャンマーですがお盆休みはありません。

有名な方々のお墓などは記念として作られています。ヤンゴンには火葬場が全部で4ヶ所あります。告別式は簡素なもので、僧侶もいないし喪主の挨拶などのようなものがありません。親友や親戚が最後の別れを言いに来るだけです。火葬場で焼いた後遺骨・遺灰についても持ち帰る人がほとんどいなくて、火葬場が処理することになっています。

お墓が無いので、お墓参りなどはしないですが、亡くなった人の為には年に1回寄付をしたりして思い出します。後は、家で写真を飾るぐらいです。昔は写真なんかもあまり撮らないものなので、私の場合は御爺さんのお父さんとか御爺さんになるともう全く顔も知らないし、名前も知りません。10歳の時は身分証明書を作りましたが、家族の構成表を記入しないといけませんが、その時には御爺さんの御爺さんの名前まで記載する必要がありました。その時には御爺さんに名前を聞いて記入した記憶があります。

ミャンマーでは輪廻転生が信じられています。人は死ぬと次に生まれ変わります。人間はこの世界で生まれ変わって終わらない旅をしているだけです。仏教では最後の目的があります。その目的は「Neik Ban涅槃」と言われています。人間は「Neik Ban涅槃」の状態になったらそこで体と心が死んで、永遠に生まれ変わりません。仏陀は「Neik Ban涅槃」に至った人間です。仏陀以外にも仏陀の教えに従って同じ道を歩んだ人間がいます。

ミャンマーの人は生まれ変わって来世で幸せになりたいと思われることもありますが、仏教の本当の目的は違います。生まれ変わらないで「全てが終わる」ことこそ仏教の本当の意味です。
ミャンマーの人は死んだ後にお墓は残りませんが、生きるときにはお互い大事にして、人生を充実に過ごすのだと思います。日本のようにお墓を大事にする文化ではありませんが、文化が違ってこの世の中は面白いことがいっぱいあると思います。

筆者:Ms. Chu Khet Khine